1983年の発売以来35年もの長い間販売されているロングセラー商品、ロッテのチョコパイは日本人なら誰もが知っているくらい有名なお菓子ですね。
ロッテのチョコパイはどのような歴史を刻んできたのでしょう?
この記事では、ロッテのチョコパイの歴史をご紹介します。
ロッテのチョコパイの歴史
「ロッテ」と「ロッテのチョコパイ」の歴史
マシュマロを挟んだアメリカのムーンパイや森永のエンゼルパイとは違うチョコパイを作り出したロッテ。
それは、ロッテが当時高級品だった「生菓子のケーキを手軽に食べられるように」との思いで生まれたからでした。
70年代の日本では、マクドナルドやミスタードーナツなどの海外ファストフードチェーン店がオープン。
外食産業だけでなく、菓子業界でも欧米の有名菓子店がデパ地下に進出するなど、食文化の変化が大きい時代でした。
しかし、当時まだまだケーキは高級品だったことから、ロッテは70年代後半にチョコパイの開発に着手したのです。
長年の試行錯誤の末、完成したロッテのチョコパイは生菓子のケーキに比べて日持ちする「半生ケーキ」というジャンルを作り出しました。
現在のチョコパイの賞味期限は製造から半年先に設定されるほど。
スポンジとクリームを使用しているにもかかわらず生菓子のケーキに比べて圧倒的に日持ちする技術は、すごいとしかいいようがありません!
そんな歴史的商品を開発した 「ロッテ」と「ロッテのチョコパイ」の歴史を一覧にまとめました。
【ロッテとチョコパイの歴史】
1948年 | 株式会社ロッテ創業 チューインガムの製造販売を開始 |
1964年 | チョコレートへ進出 「ガーナミルクチョコレート」発売 |
1970年 | キャンディへ進出 「ココロール」「チョコレートキャンディ」発売 |
1972年 | 外食産業へ進出「ロッテリア」1号店オープン アイスクリームへ進出34種一斉発売 |
1976年 | 「マリービスケット」発売 |
1979年 | 「パイの実」発売 |
1983年 | 「チョコパイ」発売 「半生ケーキ」というジャンルを開拓 |
1987年 | 「チョコパイ」の大袋タイプを発売 |
2006年 | 「プチチョコパイ」発売 食べやすいプチサイズが登場 |
2018年 | 京王百貨店に1年間限定で“生”チョコパイ専門店オープン 監修は鎧塚俊彦氏 |
こうして年表をみてみると、チョコパイはロッテの代表的商品といえますが、チョコパイ以前にもチョコレートやビスケット製造に進出していたこともチョコパイ完成への布石のように感じますね。
また、1994年からは期間限定でチョコパイがアイスになって販売されています。
冷凍しても生地がしっとりした商品なので、通常のチョコパイを冷凍して「スポンジが固まってポロポロ崩れるのが苦手」といった方にオススメです。
株式会社ロッテの詳しい歴史についてはロッテ公式サイトから確認できます
>>>ロッテ公式サイト「ロッテの歩み」
そもそもチョコパイの歴史は?
そもそもチョコパイとは・・・
しっとりした生地にマシュマロまたはクリームを挟んでチョコレートでコーティングされた二層のパイに似た菓子、ソフトケーキ菓子、スナックケーキのことを指します。(引用:Wikipedia)
チョコパイの発祥は、1917年にアメリカ合衆国南部テネシー州チャタヌーガにあるチャタヌーガ・ベイカリーが作ったもの。
地元の炭鉱労働者にグラハムクラッカーにマシュマロを挟んだムーン・パイを作ったのが始まりです。
ちなみに、チャタヌーガ・ベイカリーでは、現在もムーン・パイを販売していますよ。
日本でも通販サイト・楽天市場ではムーンパイが取り扱われているので、チョコパイ発祥の味にご興味がある方はぜひチェックしてみてください♪>>楽天市場「ムーンパイ」
日本でのチョコパイの歴史
日本にチョコパイが入ってきたのは、第二次世界大戦でアメリカ兵が持ち込んだことから広まりました。
1945年の終戦から13年後、1958年に森永が「エンゼルパイ」(2個入り)を地域限定で発売、その後1961年に全国展開されました。
エンゼルパイはビスケット生地にマシュマロを挟んでいるので、ムーンパイに似ていますね。
エンゼルパイ発売の25年後の1983年にロッテからケーキのようなスポンジ生地に生クリームを挟んだ「チョコパイ」が販売開始されました。
日本のチョコパイの歴史はエンゼルパイからはじまり、みんなに愛されるロッテのチョコパイも作られるようになったんですね。
ロッテのチョコパイは「愛されて№1」
絶対的な知名度はさることながら、パッケージの「愛されて№1」の表示の通り売り上げも好調なロッテのチョコパイ。
ビスケット市場において売り上げ№1を何年も維持しています。
そう、チョコパイはお菓子業界でのジャンルとしてはビスケットにあてはまるんです。
それは、チョコレート菓子に比べてチョコレートに比率が低く洋菓子に近いから。
ビスケット市場には「半生」カテゴリーが2割ほどあり、ロッテの「チョコパイ」と「カスタードケーキ」の2商品は売り上げの5~6割を占めるほど人気です。
とはいえ、現在好調なチョコパイにも低迷期がありました。
1983年の発売以後、1987年には大袋タイプの発売でファミリー層への需要を満たしたチョコパイは1993年に売上のピークを迎えます。
しかし、90年代にバブル経済が崩壊し国内消費が冷え込んだことも重なり、93年のピーク以降10年以上もの間チョコパイの売り上げは横ばい・減少していました。
ブランドを定着させるためにあえて新商品を出さずにいたことも理由にありますが、その沈黙の期間を経て新たに働く女性層や40~50代の少量を好む層をターゲットに2006年「プチチョコパイ」を発売。
このプチチョコパイで、客層が拡大したことから再び売り上げが右肩上がりに転じたのです。
ブランド定着のためとはいえ、新商品を出さずに時代の流れに翻弄されながらも10年以上の時を経て出した新商品で再び売り上げが伸びたチョコパイ。
目先の利益にとらわれず大局をみた戦略が、いま花開いているのではないでしょうか。
最近はクールチョコパイやレンチン、生チョコパイ、期間限定味など新しい食べ方や素材にこだわった商品もあり、今後のチョコパイの進化にも目が離せません!
まとめ
1983年の発売以来35年以上愛されている大人気のロッテのチョコパイの歴史をご紹介しました。
絶えず好調に感じていたチョコパイが長年愛されるために、あえて低迷期でも耐え忍んでいた時期があったことに驚きました。
苦節も乗り越え現在の人気を確立したロッテのチョコパイ。
今後の活躍も楽しみですね♪