「マリトッツォ」というと丸いブリオッシュの間にふわふわの生クリームが入っている大人気の菓子パンですよね。
クリームの中にフルーツやチョコ、クッキーが入っているなどバリエーションもあり、SNS映えもすることからその人気はとどまることを知りません!
そんな「マリトッツォ」の意味をご存じでしょうか?
日本と発祥の地イタリアとでは少々概念が違います。
大人気の菓子パンのルーツを辿っていきます!
マリトッツォの意味とは?流行菓子パンの歴史を調査してみました。
マリトッツォの意味とは?
マリトッツォという言葉はイタリア語で夫を意味するmaritoから来ているといわれています。
そのためかマリトッツォの名前の由来はいくつかあるのです!
- 発祥の地ローマでマリトッツォの元になったお菓子を婚約者に贈る風習があった。
- 結婚相手をさがしている女性が意中の男性に贈った
- ベッドの中で寝ている妻のために朝食要のパンを夫が買いに走ったことから
3点とも旦那さんが関係しているのです(笑)
とても面白い由来だなぁと思います。
中には指輪などプレゼントを入れていた、という説もあるのですよ!
昨今の流行にそってできたパンなのかと思っていたのですが、歴史が古くイタリアに根付いた「ドルチェ」ということがわかりました!
では「マリトッツォ」のルーツを辿ってみましょう!!
流行菓子パン「マリトッツォ」のルーツを調査してみました!
まずはじめに、日本と発祥のイタリアではそもそも「マリトッツォ」の概念が少し違います!
- 日本の場合→菓子パン
- イタリアの場合→ドルチェ
この違いを知っておきましょう!
ではイタリアのドルチェというモノはどのようなものをさすのでしょうか。
日本だと「デザート」という意味なのかな?と思ってしまいますよね。
イタリアのドルチェというもの
- 甘いものをさす場合
- 音楽適用語の場合
- 可愛らしい女性に使う場合
この3点をさすのだそうです。
イタリアの「ドルチェ」がさすのは甘いもの以外にも使われることのある言葉なのですね。
ドルチェ=デザートというわけではなく、ドルチェはデザートに近いものということになるのだそうです。
ちなみにデザートの語源はフランス語、スイーツはイギリスが発祥の言葉だそう。
それぞれ甘いもの、という意味は大体同じなのですがニュアンスが少し違ってきます。
デザート
食事の後に出され食べられる果物や菓子(プディングやケーキ・アイスクリームなど)のことをいう。日常的な食事では果物などのビタミン類など主要な食事では不足すると考えられる栄養の補助的な意味合いもあるが、特に満足感を求める食事では、甘く風味の良い菓子類で食後の満足感をより強めるものとする位置付けも見られる。
語源はフランス語の「dessert (デセール)」に由来し、この「dessert」は、「食事を下げる」「食卓を片付ける」という意味の「desservir(デセルヴィール)」に由来する。
引用:Wikipedia
スイーツ
イギリス英語: "sweet(s)"(en)は、大衆的(lower class)なデザート類を示す。子供用の飴やグミや、お菓子・ケーキ・プリンを含む糖分の高い食べ物全般のことを意味する。
引用:Wikipedia
ドルチェ、デザート、スイーツ・・・と甘いもののことを示すのですがど、少々ニュアンスが違うがわかりますね。
では日本ではスイーツとしての位置にあるマリトッツォはどのような意味で誕生したのでしょうか。
実はお菓子としてではなく、遠征時を携帯用の食べ物だったのではといわれています。
その歴史はローマ時代にまで遡ります。
はちみつで甘くしたパンにレーズンなどのドライフルーツを加えたもので、今のコロンとした可愛いサイズではなくもっと大きなものだったそう。
ローマ時代に生クリームというものはもちろんありませんので使われていたのは長期保存のできるもの!
マリトッツォのルーツは「保存食」だったのです!
それを踏まえて次に「マリトッツォ」の歴史をみていきましょう!
流行菓子パン「マリトッツォ」の歴史
起源はローマ時代にまで遡ります。
遠征用として携帯できるパンから始まったといわれるマリトッツォ。
その当時のマリトッツォは現在のモノよりも大きかったのではないかと考えられています。
マリトッツォは栄養価の高い食物としての役割があったことは前述でもお話しましたね。
キリスト教の四旬節といわれる期間、イースターの40日前に肉を食べない期間があるのですが、この時にマリトッツォは食べられていたことがわかっています。
この当時のマリトッツォは生クリームを挟んだ現在のもののような形ではなく、レーズンなどはちみつ漬けにした果物を挟んだものであったとか。
この記述は1800年代の書物に残っているそうです。
またこの四旬節の期間に食べていたことから現在はイタリア全土にマリトッツォは広まったのではないかと思われます。
では現在のマリトッツォはいつ頃からはじまったのでしょうか。
それがわかる記述が残されています。
その背景がわかるのは1960年代のある詩人の言葉です。
イニャツィオ・スフィオーネ(Ignazio Sfione)が “Ode ar maritozzo” という詩にローマの方言で「白く美しいマリトッツォよ!..₍中略₎.. コレステロールが上がろうが、医者がダメだと言おうが、マリトッツォ!俺はお前にがぶつくぜ」(意訳)とユーモラスにこのマリトッツォのことを詠っています。
引用:BACCHETTE E POMODORO
このように遡ってみるとマリトッツォはイタリアに根付いているドルチェであることがわかりますね!
実はこのマリトッツォは地方によって形がちがいます。
昔の名残が残っているもの、現在の形に近いものなど( ^ω^)・・・。
次はイタリアに根付いているマリトッツォの形をみていきましょう!
イタリアの地方に根付いているマリトッツォ!
まず日本で流行中のマリトッツォの型をおさらいしてみましょう!
生クリームがたっぷり!!
ふわふわの生クリームとパンの相性がよくていいのです~フルーツが挟んであるとまた甘酸っぱく!!!
では日本のマリトッツォとイタリア地方のマリトッツォの違いをみていきましょう!
マリトッツォ・ロマーノ(ローマ風マリトッツォ)
丸いパニーノのような形状のマリトッツォ。
マリトッツォ・マルキジャーノ( マルケ風マリトッツォ)
両端の尖った細長いパニーノのような形状のマリトッツォ。
マリトッツォ・プリエーゼ・エ・シチリアーノ(プーリアとシチリアのマリトッツォ)
三つ編みに編み込まれたパンの表面に砂糖をまぶしたマリトッツォ。
牛乳とバターが加えられており、ラツィオ州のものよりも柔らかく、ブリオッシュに似た味がする。
生クリームが入っていないので見た目だけだと普通のブリオッシュです( ^ω^)・・・。
マリトッツォ・サラート(塩味のマリトッツォ)
丸みをおびている、あるいは細長い饅頭のような形をしているマリトッツォ!
砂糖の割合を減らしていたり、または、よりナチュラルな味わいのようで、塩味で、香ばしいフィリングや食材との組み合わせによって、屋台やケータリングの主役となっているそうです!!
画像を探したのですがなく・・・残念・・・💦
甘くないマリトッツォがあったのは驚きです!!!
ローマとマルケ風が日本では主流になっていますが、塩味のマリトッツォというのも食べてみたい・・・。
まとめ
マリトッツォのルーツを調査してみました!
ローマ時代からあるのは驚きでした。
やはり流行するものには人気になるなにかがあるのかもしれませんね!
注目されるお菓子のルーツを辿ると面白いかもしれませんね!
皆さんも好きなお菓子のルーツを探ると面白いことがわかるかもしれませんよ。