かき氷の歴史ってどんなの?
日本の暑い夏にぴったりの食べ物といえば、かき氷!
今では夏を問わず、年中食べられる食べ物ですよね。
そんなかき氷の歴史は意外と古く、平安時代までさかのぼれるって知っていましたか?
この記事では食用の氷とかき氷の歴史をサクサク(氷だけに...)と解説!
かき氷の歴史を知れば、今度食べるかき氷をありがたく感じるようになるかも?
かき氷の歴史サクサク解説!
<平安時代>日本初のかき氷!
日本で初めてかき氷が食べられた記録が残っているのが、枕草子。
かき氷って平安時代から続く歴史の長ーい食べ物なんです!
枕草子によると、あまづらという植物の樹液を煮つめたものを削った氷にかけて食べたそう。
現代人の味覚からするとかなり薄い甘さだったと考えられていますが、それでも氷と甘いものの組み合わせが美味しいというのは昔の人も知っていたということが驚きですよね!
とはいえこの時はかき氷はすごく貴重で、食べることができたのは貴族だけだったんですよ。
<江戸時代>氷は殿様への贈り物!
江戸時代に入っても、氷はまだまだ貴重品でした。
金沢の加賀藩が使っていた氷の保管場所・氷室(ひむろ)は金沢湯涌温泉に今も建物が再現されています。
氷室は奈良時代にはできていた保管場所ですが、江戸時代の氷室はもっぱら殿様への献上品の保管場所。
加賀藩から江戸へ、えり抜きの飛脚たちが毎年6月1日に合わせて殿様に氷をお届けしていたんだとか。
今みたいに冷凍庫に入れて運ぶことができないわけですから、相当急いで運んだでしょうね〜
こんなに人件費をかけているので、当然冷たい氷を味わえるのは偉い人だけだったというわけです。
<明治時代>氷が普通の人のものに!
江戸時代の終わりから明治の初めになると、外国から物がたくさん輸入されるようになりました。
当時、ボストンから横浜半へ年もかけて船で氷を輸入していた人もいたんだとか!
そこへ着目したのが中川嘉兵衛(なかがわかへえ)という人で、いろんな失敗を繰り返しながらも日本国内で天然氷を生産することに成功します。
たくさんの業者が氷を製造するようになった頃、粗悪品への対策として、氷を販売するときには政府の検査を合格した印の氷期(ひょうき)を掲げることが義務になりました。
今でもかき氷屋さんで見かけることがあるあの旗は、安心・安全の証だったんですね!
中川嘉兵衛と時を同じくして、町田房造(まちだふさぞう)が横浜馬車道で日本で初めてかき氷の販売をスタート。
明治20年には村上半三郎が日本で初めての氷削機(ひょうさくき)の特許をとり、徐々にかき氷が普通の人の口に入る食べ物になっていきました。
<昭和>今のかき氷スタイルが誕生!
第二次世界大戦前は削った氷に砂糖や砂糖水、あんこを載せたかき氷が主流でした。
戦後になるとかき氷はもっと華やかに生まれ変わります。
戦後すぐに開発されたのが、今は鹿児島・九州名物として親しまれているかき氷・白くま。
蜜だけでなくミルクやフルーツを贅沢にトッピングした白くまは今でも人気のかき氷ですよね。
また、カラフルでいろんなフレーバーがついたかき氷シロップも戦後販売されるようになり、今私たちがイメージするようなかき氷の形が完成されていきました。
大戦前に主流だったというのが、氷に砂糖をかけただけのかき氷「雪」。
今食べたら逆にシンプルで美味しいかも?
海外のかき氷ってどんな感じ?
かき氷は日本発祥の食べ物ですが、かき氷のように氷を削った食べ物は海外にもたくさんありますよ。
例えば...
- 韓国...ピンス
- 台湾...ツワピン
- フィリピン...ハロハロ
- アメリカ...シェイブドアイス
日本でも人気があるのは、やっぱり韓国のピンス!
小豆をたっぷり乗せたかき氷をパッピンスといい、お店によってはフルーツやきなこもトッピングされてかなりゴージャスな見た目に仕上がっています。
台湾のかき氷・ツワピンは日本から伝わったと言われていますが、今ではマンゴーの果肉やマンゴーアイスをトッピングした南国台湾らしい芒果氷(マングォビン)が人気。
国によってトッピングや味はさまざまですが、削った氷に甘いものを乗せて食べる、というのは共通のようですね。
かき氷で涼しいおやつタイムを!
夏の暑さを乗り切るのにぴったりの食べ物、かき氷。
その昔は貴族しか食べられなかったかき氷ですが、いろんな人の努力や発明があって今ではみんなが食べることができる庶民の味になりました。
改めて、かき氷が自由に食べられる時代に生まれてよかった〜(笑)!!
たまにはかき氷の歴史にひたりながら、涼しいおやつタイムを過ごしてみては?