先日、職場のコンビニのレジ横にミニパックの「ビスコ」が置いてあり、なんだか懐かしくなってレジが打ち終わる寸前に「あっこれも!」と追加してしまいました(笑)
家に帰って仏壇にあげていると、20歳になる甥っ子が
「ビスコ」って保育園の時、おやつに出たけどボソボソして、あまり好きじゃなかったんだ…だけどこの前、職場でおばさんにもらって食べたら、すごく美味しくなっててビックリしたよ。
たしかに、小児病棟や保育園、老人施設では人気のおやつで、よく出していたのを思い出します。
「ビスコ」は1933年(昭和8年)に発売され、発売から80年以上になります。
80年以上もの長い間、小さな子供はもちろん年配の方にまで幅広く愛され、ビックリするほど「美味しくなった」というのには、なにかすごい秘密がありそうですよね!
そこでビスコの歴史や超ロングセラーの秘密を調べてみました。
この記事では
- 「ビスコ」はいつからあるのか
- 「ビスコ」ができるまで
- 「ビスコ」の名前の由来
- 箱に書いてある男の子はだれ?
- ビックリするほど美味しくなったワケ
また、定番以外の期間限定の味もあったので、どんなものがあったのか…もお伝えしています。
これを読んで「ビスコの歴史」を知ったあなたは、無性に「ビスコ」食べたくなるかもしれません。
ビスコ誕生の歴史
ビスコは1933年(昭和8年)に誕生
ビスコを作っているのは、創業1922年(大正11年)大阪にある江崎グリコという会社。
まだまだ栄養が少なかった時代、栄養効果が注目されていた酵母が入ったお菓子を作ろうと、試行錯誤を重ね1933年(昭和8年)、1箱10銭でビスコの販売が始まりました。
ビスコは80年以上も前に生まれたんだよ!
ビスコのほかには、トマトジュース、トクホンが昭和8年に登場したんだって!
ビスコができるまで
”生きたままの酵母”に大苦戦
1931年(昭和6年)に大阪市西淀川区に工場を移転した江崎グリコが考えていたのは、栄養菓子グリコ(キャラメル)につぐ第二の栄養菓子づくりのこと。
酵母に、胃腸の機能を良くし、消化吸収作用を盛んにする効果があると知って、ビスケットに入れることを考えました。
しかし、酵母は生き物なので、ビスケットを高温で焼く段階で死んでしまい失敗。
そこで「ビスケットではなく、クリームに酵母を入れてはさむのはどうだろう?」と思いつきましたが、クリームを長時間加熱することで、酵母やビタミンが半減してしまいました。
なにかいい方法はないかと考え、砂糖の量を減らし、ヤシ油(ココナッツオイル)を加えて作る新しい方法を試した結果、加熱時間を短くすることに成功!
こうして「生きた酵母が入ったクリームをはさんだビスケット」が完成しました。
※現在のビスコは、「酵母」ではなく「乳酸菌」が入っています。
ビスコの名前の由来
酵母が入っているから“ビスコ”
やっと完成した「生きた酵母が入ったクリームをはさんだビスケット」の名前は、
酵母が入った体にいい“栄養菓子”と分かる商品名をつけようといろいろ案が出されました。
酵母が入ったビスケットだから「酵母ビスケット」
↓
略して「コービス」
↓
前後入れ替えて「ビスコ」
会社の名前「グリコ」とも音が合っていて、「八画」の「末広がり」で縁起が良かったとのことで、「ビスコ」という名前に決定しました。
パッケージとビスコ坊やの歴史
お菓子を口にして頬を膨らませている子供を描いたドイツのポスターをヒントに、日本風に描き換えて、ビスコのパッケージに加えた男の子はビスコ坊や。
ビスコ坊やには特定のモデルはなく、頬の膨らみを大きくして「おいしさ」を、えくぼと目元で「親しみ」を感じてもらおうと、画家の方に色々デザインを 描いてもらい、その中から選ばれたました。
本当は、この男の子に名前は付いていないんだって!
glicoの社員さんたちがビスコ坊やと呼んだのがはじまりらしいよ。
1933年(昭和8年)〜
1951年(昭和26年)〜
1956年(昭和31年)〜
1982年(昭和57年)〜
2005年(平成17年)〜
2005年、商品のリニューアルとともにビスコ坊やの髪型や骨格などが見直され、 だいぶ現代風に可愛くなりましたね(笑)
ビスコ味の歴史
リニューアルを重ねさらに美味しく
全粒粉や大豆パウダーを使ったり、大人向けに開発されたものなど、栄養不足を補うための”栄養菓子”からどんどん進化しているビスコ。
そんなビスコは、種類ごとに最適なクリームの量やビスケットの厚みを変え、それぞれに合うように機械だけでなく職人の手によって徹底した品質管理をされているそうです。
1933年”ビスコ”発売
まだまだ栄養が少なかった時代、子供の栄養補給を目的に作られた酵母入りクリームサンドビスケットのビスコ。
当時としては、ハイカラなお菓子だったのでは?
1979年子供たちやお母さんたちの声に応えてリニューアル
固かった生地を軽いものに変更し、レモン味のクリームに、隠し味としてストロベリーを追加。
また、ビタミンやカルシウム、乳酸菌などの栄養成分が強化されました。
2002年”香ばしアーモンドビスコ小麦胚芽入り”発売
。
ビスコの「すくすく育つ健康感」から、クラッカーに小麦胚芽を入れることで、大人の女性に向けた「カラダにやさしい健康感」へイメージ・チェンジを狙って発売されました。
2005年2回目のリニューアル
クリームを20%増量、ビスケットの配合を変え薄くすることで、口どけ感、クリーム感がアップ!
乳酸菌も4千個から1億個に増やされ、さらにおいしく健康的になりました。
2007年”ビスコ保存缶”発売
1995年阪神淡路大震災に遭ったメンバーを中心に「防災用に長期保存できるものを」と開発されたのがビスコの保存缶だそうです。
防災対策用食品として長期保存でき、5枚ずつ小分けになったものが6パック入っているので、みんなで分けやすくなっています。
2010年には、宇宙飛行士の野口さんが”好きな食料”としてビスコ保存缶を持っていったことは、話題になりましたね。
ビスコの保存缶は5年も保存できるんだって!
ビスコなら調理しなくてもすぐ食べられて、小さなこどもや年配の方にも食べやすいから、いざというときの備えにはバッチリだね。
2015年”いちご、カフェオレ、発酵バター仕立て”発売
いちご、カフェオレなどのミニパックは、バッグの中でかさばらないので、持ち歩くにはとても重宝します。
また、2013年 に「 80周年スペシャルビスコ 」 として期間限定、数量限定で発売された発酵バター仕立ては、その後も何度も期間限定で再販されていましたが、2015年 定番商品となりました。
2018年”焼きショコラ”発売
ガーナ産カカオマスを使用したリッチなチョコのおいしさで、大人の女性向けの商品として発売されました。
実際に食べてみると、甘さ控えめで、ほろ苦いチョコクリームは、今までの「おいしくてつよくなる」というビスコのイメージが一変するほど大人なビスコになっています。
2020年”素材の恵みシリーズ”発売、15年ぶりリニューアル
健康を意識した大豆パウダーや全粒粉を使った「素材の恵み」は、1袋2枚入りでカロリーは50kcal以下、糖質も5g以下となっているので、カロリーや糖質の調整がしやすくなっています。
また15年ぶりのリニューアルでは、クリームを25%増量し、食物繊維を配合して乳酸菌と食物繊維が一緒に摂れるようになったそうです。
ビスコにはスポロ乳酸菌(有胞子性乳酸菌)という乳酸菌が入っているよ。
クリ-ムは水分が少ないから生きたまま活動を停止しているけれど、食べた後、胃酸や体温の刺激を受けて腸内で目覚め、活動を始めるんだって!
気になる期間限定の味
ビスコは「赤い箱(本当は柿色なんだそうです)」といちごのイメージしかありませんでしたが、定番以外の期間限定の味もあったようです。
そこで、再販があれば食べてみたい気になった期間限定の味を3つ選んでみました。
2017年ブルーベリークリーム
ナチュラルローソン限定だそうで、ブルーベリークリームが美味しかったと人気だったようです。
2020年ミックスベリークリーム
ストロベリー×ラズベリー×ブルーベリーをミックスしたクリームだけでも期待できますよね。
ライ麦のビスケットというところもポイントが高いです。
2020年抹茶ミルククリーム
やっぱりありましたか…抹茶クリーム!ぜひ再販してほしいです。
まとめ
- ビスコは1933年(昭和8年)に誕生
- 子供たちの健康を願って作られたのが「酵母入りクリームサンドビスケット」
- 名前の由来は酵母が入っているビスケットだから”ビスコ”
- 箱に書いてある男の子は”ビスコ坊や”
- 現在のビスコ坊やは5代目
- リニューアルを重ね、味も栄養もどんどん進化している
- 子供だけでなく、大人向けのビスコ発売されている
「おいしくてつよくなる」という、栄養不足だったころの子供たちの健康を願って作られたビスコ。
誕生してから、80年以上経つ今も「おいしさ」と「元気」を届けてくれていますよね。
子供の頃に食べていたビスコとは、見違えるほど美味しく進化しているので、お店で見かけたらぜひ手に取ってみてください。