ここ数年でちらほらみかけるようになった「チャパタ」と「フォカッチャ」ですが、この二つの違いってよく分からないですよね?
というか、チャパタって、フォカッチャって、そもそも何?という方も多いかと思います。
今回は、チャパタとフォカッチャの違いを解説しながら、それぞれの特徴をお伝えしていきます。
また、チャパタとフォカッチャはどんな時に?どんな感じで食べればいいのか?というオススメの食べ方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
チャパタとフォカッチャの違い
「チャパタ」と「フォカッチャ」は二つともイタリア生まれのパンです。
「チャパタ」はよくインドの「チャパティー」と混同されますが、まったく別物ですのでご注意を。
「チャパタ」と「フォカッチャ」はどちらもシンプルなパンで、食事と一緒に食べることが多い、いわゆる食事パンです。
なので、似ているところも多いのですが、形や作り方、食感、歴史などに違いがあるので、次から解説していきます。
形状の違い
「チャパタ」はイタリア語で「Ciabatta」で、日本では「チャバタ」もしくは「チャバッタ」とも呼ばれます。
イタリア語で「スリッパ」を意味し、もともとの平べったく四角い形状がその名前の由来となっています。
対して、「フォカッチャ」はイタリア語で「Focaccia」で、「火で焼いたもの」という意味です。
「フォカッチャ」も平たいですが、表面にくぼみがあるのが特徴で、具材を上にトッピングしやすくなっています。
小さな丸い形のものもあれば、大きな四角形にして焼いた後カットする場合もあり、形は様々です。
材料の違い
次に、「チャパタ」と「フォカッチャ」の材料ですが、基本的には以下になります。
チャパタ | 小麦粉・塩・イースト・水・糖分 |
フォカッチャ | 小麦粉・塩・イースト・水・糖分・オリーブオイル |
材料がだいたい同じで、どちらもバターや牛乳などの乳製品を使っていないため、比較的ヘルシーといえます。
逆に材料の違いとしては、「フォカッチャ」は基本的にオリーブオイルを使いますが、「チャパタ」はあまり使わないことがあげられます。
また、もうひとつは水分量の違いです。
「フォカッチャ」の水分量は全体の配合のうちの約60%ほどですが、「チャパタ」は約80%です。
「フォカッチャ」も、ほかのパンと比べると水分量は少なくない方ですが、「チャパタ」は特に水分量が高くなっています。
作り方の違い
では、それぞれの基本的な作り方をみてみましょう。
まずは、「チャパタ」の作り方です。
- 材料を混ぜてこねる。(こねずに混ぜるだけの場合もあります)
- 生地を発酵させる。(一次発酵)
- 分割し、形を整える。
- 生地を発酵させる。(二次発酵)
- 焼く。
次に、「フォカッチャ」の作り方です。
- 材料を混ぜてこねる。
- 生地を発酵させる。
- 平たい形に生地を整え、表面にくぼみをつけて、焼く。
「チャパタ」のほうが発酵が2回あり、時間がかかりますね。
食感の違い
そして、気になる食感ですが、さきほどの材料と作り方の違いから、それぞれの特徴が出ます。
「チャパタ」の食感の特徴は、水分量が多く長時間発酵することにより、外側の生地はパリっとして薄く、内側の生地はみずみずしいことです。
また、「チャパタ」は内側の生地部分に大きな気泡ができ、粗い生地になっていて、ふんわりソフトな食感になります。
対して「フォカッチャ」の特徴は、生地にオリーブオイルを使っているので、香りと風味があり、口当たりがさくっとしていることです。
そして、「フォカッチャ」の内側の生地には細かい気泡があり、弾力のある詰まった生地になっていて、もっちりとした食べ応えがあります。
歴史の違い
「チャパタ」も「フォカッチャ」もイタリアのパンですが、発祥の場所や歴史は異なります。
「チャパタ」はイタリア北部のヴェネト州で生まれました。
職人がうっかりしてパン生地をオーブンに入れ忘れ、翌日水を加えて練り直し、焼いたのが始まりという説もあります。
地方のパンのひとつだった「チャパタ」ですが、1982年に現在の形の「チャパタ」が考案されたところ評判となり、一気に全国に広まったそうです。
対して、「フォカッチャ」は北部のジェノバが発祥の地とされてます。
古代ローマ時代からある伝統的なパンなので、イタリア各地でいろいろな形に変化しました。
また、「フォカッチャ」はその形状から、ピザの原型ともいわれます。
チャパタとフォカッチャの食べ方
「チャパタ」も「フォカッチャ」も、シンプルなパンなので、食事の時に料理と一緒に食べることが多いです。
また、「塩」や「オリーブオイル」をつけて食べるのも一般的で、その食べ方は日本でも広まっています。
どちらも、ハムやチーズなどの具材を挟んで、イタリアのサンドイッチ「パニーニ」にして食べても美味しいです。
さらに、「フォカッチャ」は上に具材をトッピングしやすいので、オリーブや野菜、トマトソース、チーズなどをのせてピザ風にすることもできます。
ちなみに、二つのパンのオススメの食シーンがあるので紹介します。
イタリアの典型的な朝食は「カプチーノ」と「ブリオッシュ」だそうですが、「フォカッチャ」の本場ジェノバでは、「白ワイン」と「フォカッチャ」という組み合わせを朝食にすることもあるそうです。
何ともおしゃれで優雅な朝って感じで、一度真似してみたいですね。
また、「アペリチェーナ」というイタリアの食事スタイルで「フォカッチャ」や「チャパタ」を楽しむのもオススメです。
「アペリチェーナ」とは、お酒と共に軽食をお代わり自由で楽しむスタイルで、イタリアの若者中心に最近人気があるそうですよ。
日本では、スターバックス銀座店で提供されていて、話題となりました。
まだまだ提供しているお店は少ないですが、今後広がっていくことを期待したいですね。
まとめ
「チャパタ」と「フォカッチャ」は両方ともイタリアのパンで共通点も多いですが、形状や材料、作り方、食感、歴史などに違いがあり、それぞれの良さがあるのがお分かりいただけたでしょうか?
味わい方や食べ方もバリエーションがあるので、この記事が、イタリアのパンを楽しむきっかけになったらうれしいです。