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【シフォンケーキ】失敗の原因は?他には無い本当の対処法をパティシエが解説します。

【シフォンケーキ】は家庭で作ってみたくなるお菓子の代表ですが、上手に焼くのは本当に難しいです。

レシピも沢山紹介されていますが、ちょっとこの配合じゃあ無理じゃないかなと思える物もあります。

https://twitter.com/yusanswd/status/1405815157276643330?s=19

シフォンケーキの失敗の原因は沢山の要素がありますので一言で表すのはちょっと無理ですね、、

今回は一番肝心だと思われるシフォンケーキの配合についての考察、上手く焼けない時の対処法、焼く時の注意点を解説したいと思います。

https://twitter.com/chisato_sweets/status/1407588790563065861?s=19

型抜きに関してはゆっくり慎重にやるしかないと思います。。

【シフォンケーキ】失敗の原因とは?

よくある失敗の例として、しぼんで中身に穴が空くという事があります。

しぼむ理由①

1つ考えられるのが、小麦粉、砂糖が少ないという事。

卵や加える水分(牛乳など)に対して小麦粉や砂糖が少なすぎると、気泡を取り囲む壁が弱く、スポンジ状を維持できません。

シフォンケーキは普通のスポンジ生地と比べて、スポンジの骨組みとなる材料が少ないです。

その分、ちょっとしたミスで、しぼんだり、穴が空いたりするのです。

しぼむ理由②

2つ目は焼いている時に膨らみ過ぎているからです。

膨らみ過ぎた状態とは、激しい水分の蒸発に耐えきれず、気泡を取り囲む壁(生地そのもの)が爆発したような状態です。

オーブンから出して、アツアツの時は水蒸気が沢山出ていて、膨らんだ状態ですが(破れた風船に空気を送り続けているイメージ)、冷めるとしぼんでしまいます。

レストランで提供されるスフレみたいですね。

膨らみ過ぎると、しぼみ過ぎる、という感じです。

しぼむ理由②、の理由

では、膨らみ過ぎる理由です。

オーブンの温度が高過ぎると激しく水分が蒸発してよく膨らみますが、シフォンケーキの場合、主な原因は卵白に問題があると思われます。

メレンゲが強すぎる

新鮮な卵白は表面張力が強く、泡立てるとたくさん空気を取り込んで、ボリュームのあるメレンゲを作ることができます。

  • メレンゲを泡立て過ぎる→膨らみ過ぎる
  • シフォンケーキの生地が均質に混ざりきっていない(メレンゲが残ってる)→膨らみ過ぎる

このボリュームあるメレンゲはシフォンケーキを作るのに必要ですが、膨らみ過ぎると失敗することは説明しました。

強いメレンゲでふわふわのシフォンケーキを作りたいですが、メレンゲが強過ぎると膨らみ過ぎてしまいます。

失敗する理由③ 型が悪い

キレイなシフォンケーキを焼くなら、アルミ製の型一択です。

100均で売ってる紙型でも大丈夫ですが、パティシエは100%アルミ型をつかいます。

アルミ型じゃないとダメな理由

シフォンケーキは焼き上がったら逆さまにして冷まします

重力でつぶれるのを防ぐ為ですが、型に生地がびっしりくっ付いてないと意味ないのです。

まれにテフロン加工されたシフォンケーキ型が売ってますが、生地が型から剥がれてしまうので必ず失敗します。

シフォンケーキ型としては使えません。

【シフォンケーキ】失敗しない為の対処法

何度やっても失敗するなら、以下の対処法を試してみましょう。

  • 小麦粉を1割くらい増やしてみる
  • 加える水分を1割くらい減らす
  • メレンゲをいつもより緩めに泡立てる
  • いつもより生地をよく混ぜる(ちゃんと均質にする)→穴が空きを防ぐ
  • 泡切りをしっかりやる(生地が出来たらすぐ焼かずに、大きな泡が浮いてくるので潰す)→これも穴空きを防ぐ
  • オーブンの余熱が高過ぎないか?
  • 水溶化卵白を使う→COOKPAD(ボリュームが出過ぎるのを防ぎます、シフォンケーキにも有効です)
  • シフォンケーキ専用の型を使う

あと、レシピはネットなど素人のいい加減なものではなく、有名パティスリー、パティシエの責任あるレシピをえらびましょう。

【シフォンケーキ】作ってみた

今回は私の敬愛するベルグの4月というケーキ屋さんの紅茶のシフォンケーキのレシピで作ってみようと思います。

卵黄           90g

塩           少々

水           60cc

紅茶のティーバッグ   2袋

紅茶のリキュール    10cc

サラダ油、生クリーム 各45g

メレンゲ 

 卵白200g グラニュー糖110g

薄力粉         65g

紅茶の粉末       3g

ベーキングパウダー   少々

人気のケーキ、家庭画報より

このレシピは、、小麦粉少ないですね、、失敗しそうですw

水と生クリーム35%を沸騰させティーバッグを煮出します
ラップをして冷ましておきます
卵黄をホイッパーでもったりするくらい泡立てます
ティーバッグを搾って水、生クリームを加えます。紅茶の粉末が無かったのでティーバッグの中身を半分位入れます。
小麦粉、サラダ油、リキュールも加えます。
紅茶リキュールが無かったので年季の入ったグラン・マルニエを使いました。
ダマが無いように手早く、しっかり混ぜます。
次に卵白を湯煎にかけて、水溶化させます。

今回のレシピは小麦粉が少なく、失敗しそうなので、膨らみ過ぎないように卵白の水溶化を行いました。

50℃位、シャバシャバで卵白のドロンとした感じが無いです。グラニュー糖は最初から加えてあります。
湯煎を外し、ハンドミキサーで泡立てます。
艶よく滑らかなメレンゲができました。水溶化させると泡立て過ぎる心配が無いです。
先ほどの卵黄の生地にメレンゲをひとすくい入れて混ぜる、今度は卵黄の生地をメレンゲの方に混ぜる、を交互に繰り返します。
よく混ぜ合わせ、生地ができましたが、気泡が沢山残ってますね。(ここまで全てホイッパーで混ぜます)
100均で買って来た18cmの紙の型に生地を流し込みます。
ゴムヘラで生地を混ぜ、浮いてくる泡を潰します。(泡切り)
2分位やって気泡が大分なくなりました。生地の量は型の7割位までにします。よく膨らむので生地があふれます。これも中が空洞になる大きな原因です。
ようやくオーブンへ、余熱180℃で設定し170℃で焼きます。
25分位焼きました。この時点で表面が破れていると膨らみ過ぎてボコボコの可能性があります。竹串をさして何もついてなければやけています。
逆さまにして重力でつぶれないようにしますが、お酒の瓶じゃなくても大丈夫です。(型が歪んでます、やっぱり紙の型じゃあダメですね)

私はフランス菓子の人間なので、シフォンを作るのは久々ですが、一応、焼けました。

最低、半日くらいは放置して冷ましたほうがいいですよ!

まとめと実食

シフォンケーキというと、かなりの方々が作り方を考察していますが、失敗する原因のほとんどは、強いメレンゲによる"膨らみ過ぎる"事です。

しかしながら、レシピによっては小麦粉が多く失敗しにくい簡単なレシピや、ギリギリまでしっとりフワフワを追及したレシピもあります。

当然、難易度もかなり違ってきます。

さらに、生地は出来ていても、型が悪かったり、オーブンの温度のせいの場合もあります。

失敗の原因はなんでしょうか?

対処法としては素人のレシピではなく、ちゃんとしたレシピで作る事ですが、どうしてもダメなら今回示した対処法を試して下さい。

偉そうな事を書きましたが、私の焼いたシフォンケーキを晒します。

100均の型が歪んでます、、
ケーキの形も楕円に、、
断面
水分が多く、小麦粉の少ない生地で、焼き詰まりは有りますが、腰折れも大きな気泡も無い、まあ、こんなもんでしょう、

さて、今回は型をアルミ製でなく、100均で安く済ませてしまったので不本意な結果になりましたが、生地の方は問題なくできました。

まさに、絹(シフォン)のようなとろける食感で、驚くほどしっとりしています。

さすが、ベルグの4月のレシピという所です。

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藤原 敏夫

1974年生まれ。ポール・ボキューズ、ノブTOKYOで製菓製パン、ペストリーを学び、日本人唯一MOF取得者の美ノ谷靖夫氏に師事。独立してベッカーフジワラを15年経営して廃業。現在はブーランジェリー職人として勤務しながら、経験を活かした記事を執筆中。

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