幸福のお菓子と呼ばれるスペインのクッキー【ポルボロン】。
日本ではポルボローネのが耳馴染みのある方が多いかもしれません。
粉糖をまぶしたドーム型で口の中でホロホロッと溶けてしまう優しい食感が特徴です。
ポルボロンと同じ特徴のお菓子に、スノーボールがあります。
名前が全く違うこの2種類のお菓子ですが、食べてみてもあまり違いが分かりません。
しかし、製作過程に違いがあるようなのです!
今回はポルボロン・スノーボールの特徴と違いを記事にしました。
ポルボロンとスノーボールの違いは?
2種類のお菓子の違いは
この2種類です。
薄力粉をローストしてラードを使用するとポルボロンとなります。
薄力粉をローストして使用すると、ポルボロンの特徴的なホロホロ食感になります♪
薄力粉のローストの仕方
ポルボロンやスノーボールは実は簡単に手作りする事が出来ます。
お菓子を手作りする方でも、中々したことがないであろう「ロースト」という工程は2種類のやり方があります。
コンロでロースト
- 薄力粉をフライパンに入れ、約15分炒める
- 火を止めたらすぐにフライパンからボウルに移す(焦げてしまうため)
フライパンを振ったり、火にかけたまま放置せず混ぜながらローストします。
焦がさないように気を付けましょう♪
オーブンでロースト
- クッキングシートやアルミホイルに薄力粉を広げる
- 200℃に余熱したオーブンで12~15分焼く
ローストし過ぎないよう、火の通り加減をチェックしながら時間を調節してくださいね♪
なぜローストするの?
ローストすると、薄力粉の中の【グルテン】がなくなるからです。
グルテンは小麦に含まれるグルテニンとグリアジンの2種類のタンパク質が結びついてできていて、うどんのコシのある食感を生み出しているもの
Z-SQUARE HPより引用
お菓子やうどん、粉ものなどを作る時にグルテニンとグリアジンを結びつける為に、水分を加えて良く混ぜたり練ったりします。
ネバッもちっとさせているグルテンを無くすことにより、ホロホロッというくちどけになります(*^^)v
ポルボロンとスノーボールは元は同じお菓子?
ポルボロンとは
名称は、塵を表す「ポルボ」(スペイン語: polvo)に強調語尾の「ロン」(スペイン語: rón)がついたもの。塵のようにホロホロと崩れる口当たりのクッキーに由来する。
アンダルシア地方の修道院で1200年前[いつ?]に誕生した。
大航海時代にはスペイン植民地に広まり、フィリピンやキューバなどでも食べられるようになった。
Wikipediaより引用
日本ではポルボローネと呼ばれる方が多いのですが、これは伝わった時に聞き間違い、そのまま広まったからのようです。(諸説あります)
ちなみにポルボローネはポルボロンの複数形なので、複数の時はポルボローネであってます。
スノーボールとブール・ド・ネージュ
ポルボロンが各地に伝わるうちに、地域によってレシピに少し違いが出てきたり名前が変わっていきました。
スノーボールとブール・ド・ネージュはラードの代わりにバターを、ローストはせずに小麦粉を使用するようになりました。
スノーボールは英語、ブール・ド・ネージュはフランス語で共に「雪の玉」という意味です。
ポルボロンのホロホロッとした触感が、雪を連想させるからです。
雪も塵と水蒸気から出来るので、ポルボロンと名前は大筋同じ…かなと思います。
まとめ
ポルボロンとスノーボールの大きな違いは作る工程にありました。
- ポルボロンはラード、スノーボールはバターを使用している
- ポルボロンは薄力粉(小麦粉)をローストしてから使う、スノーボールはそのまま
ブール・ド・ネージュも含め、3つとも元は同じお菓子なのですが、地域の特色にあった姿に形を変えていることが分かりました。
ドーム型のポルボローネは日本ではお馴染ですが、海外ではまん丸や楕円のものが一般的です。
そして和三盆など日本特有のフレーバーも登場していますし、ポルボロンは土地によって姿を変えるカメレオンのようなお菓子ですね。