イタリア料理店などに行くと、ときどき出てくる「フォカッチャ」ですが、「パン」と何が違うのかなと思いながら食べてませんか?
ここでは、フォカッチャとパンの違いを、それぞれの材料や作り方、カロリーなどの面から解説します。
また、パンに比べると食べ方が限られそうなイメージのフォカッチャですが、意外とバリエーションがあるので、見てみてください。
フォカッチャとパンの違い
先に言ってしまうと、実はフォカッチャもパンの種類のひとつです。
なので、「違い」というのは元来おかしな話なのですが、みなさんが気になるのは、フォカッチャがほかのパンとどう違うのかということですよね?
ということで、ここではわかりやすいように、シンプルなフォカッチャと一般的な食パンとの違いを比較しようと思います。
フォカッチャと食パンには、材料・作り方で違いがあり、そのためカロリーや食感、味にも差が出ます。
材料の違い
まずは、フォカッチャと食パンの材料ですが、以下になります。
フォカッチャ | 小麦粉、イースト、塩(または岩塩)、オリーブオイル |
食パン | 小麦粉、イースト、塩、牛乳(または脱脂粉乳など)、油脂(バターなど) |
フォカッチャも食パンも、強力粉・イースト・塩までは同じですね。
違いは、フォカッチャは牛乳などの水分と、バターなどの油脂を使っていないということです。
そして、フォカッチャはオリーブオイルを使うのが特徴となっています。
作り方の違い
次に、フォカッチャと食パンの作り方を見てみましょう。
フォカッチャの作り方は以下です。
- 小麦粉、塩、イースト、オリーブオイルを混ぜてこねる。
- 生地を発酵させる。
- 平たい形に生地を整え、表面にくぼみをつけて、オーブンで焼く。
食パンの作り方は以下です。
- 材料を混ぜてこねる。
- 生地を発酵させる。(一次発酵)
- 形を作り、型に入れる
- 生地を発酵させる。(ニ次発酵)
- オーブンで焼く。
ほぼ同じなのですが、フォカッチャのほうが一般的には発酵も1回だけで、実は簡単なんです。
また、フォカッチャの形が平たく、表面にくぼみがあるのも、食パンとの違いです。
平たくくぼみがある形状は具材を乗せやすいだけではなく、空気を抜いて膨らみすぎるのを防ぐ効果もあります。
カロリーの違い
さきほど、フォカッチャは食パンと違って、牛乳やバターなどを使っていないと書きましたが、そのため、食パンよりもヘルシーになる傾向があります。
では、実際のところ、カロリーに違いはあるのでしょうか?
ここでは、フォカッチャの中でも一番手に入りやすいと思われる、パスコの「超熟フォカッチャ」と、「超熟食パン」のカロリーを比較してみます。
商品名 | 1個あたり重量 | 1個当たりカロリー | 100g当たりカロリー |
超熟フォカッチャ5個入 | 約47g | 約120kcal | 約253kcal |
超熟食パン5枚 | 約78g | 約197kcal | 約253kcal |
1個当たり(1枚当たり)のカロリーは確かに、フォカッチャのほうが低いです。
しかし、100g当たりにすると同じというのは正直意外な結果でした。
ただ、フォカッチャはもっちりとした食感で、1個でも結構食べ応えがあるので、食べすぎなければカロリーは抑えられますね。
味や食感の違い
フォカッチャの食感は先ほども書きましたが、もっちりとしていて食べ応えがあります。
食パンはいろんな食パンがあるので一概には言えませんが、フォカッチャよりは軽いと言えるでしょう。
次に味ですが、いわゆる一般的でシンプルなフォカッチャの味は、ほんのりオリーブの風味がする程度です。
それに対し、食パンは材料の配合によりますが、バターや牛乳などが入っていることが多いので、風味が豊かになります。
フォカッチャとは?
ここまで、フォカッチャとほかのパンとの違いをみてきましたが、ではそもそも「フォカッチャ」とは何なのでしょうか?
フォカッチャの発祥
フォカッチャは、古代ローマ時代からある、イタリア発祥の伝統的なパンのことで、イタリア語で「火で焼いたもの」という意味です。
形が平たく、表面にくぼみがあるのが特徴で、具材を上にトッピングしやすくなっています。
そのため、ピザの原型とも言われます。
また、「フォカッチャ(focaccia)」とは通常のサイズのことで、「フォカチーナ(focaccina)」は小型サイズのフォカッチャを意味します。
ちなみに、サイゼリアにあった「フォッカチオ」はサイゼリアの造語です。
フォカッチャの種類
フォカッチャは素朴なパンで、食事のときにはほかのメニューを引き立てるイメージがあると思いますがいかがですか?
しかし実はフォカッチャは、他のパンにも負けないくらいの種類とバリエーションがあって、十分に主役になれるものなんです。
例えば、具材をトッピングするタイプで、ほぼピザともいえるものや、生地にじゃがいもなどの具材を混ぜ込んだタイプ、具材をサンドしたタイプなどは主役級と言えるでしょう。
また、フォカッチャドルチェと呼ばれるスイーツもあります。
こちらは、あまい粗目の砂糖がたっぷりまぶされた菓子パンみたいなフォカッチャです。
フォカッチャには長い歴史があり、たくさんの種類やバリエーションがあるんですね。
まとめ
ここまで、フォカッチャとパンの違いや、フォカッチャのパンに負けなバリエーションについて、書いてきました。
フォカッチャは、材料や作り方などがパンと異なり、独特の魅力があることを感じて頂けたでしょうか?
この記事を読んで頂いて、フォカッチャの楽しみ方が広がるきっかけになったら、うれしいです。