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【米粉パン】特徴やメリットは?購入する際の注意点を解説します

かつて、米粉パンブームなるものがありました。

現在も専門店などで米粉パンは売られていますがその頃に比べてあまり売ってないように感じます。

2011年の記事です:Panasonic

十数年前、三洋電機(現在はPanasonic)から発売されたGOPANという、お米からパンが作れる画期的な家電製品がありました。

特にグルテンフリー至上派(健康志向?小麦アレルギー保持者)から熱烈な歓迎を受け、家庭の主婦的な目線では米びつに余った米で簡単にパンが作れるような宣伝文句で多くの支持を得たのでした。

ですが、当時から私は【米】だけでパンが作れる筈はない事を熟知しておりましたので、非常に眉唾もののブームが到来している事に違和感を禁じ得なっかたのですが、こういったパンの多くは小麦粉や小麦グルテンを加えて作ったものでした。

全く小麦が受け入れられない人は多くないと思いますが、小麦アレルギーがある場合、ちょっと危険ではないかと思っていましたが、深刻な健康被害の報告は、私の知る限り散見されてないです。

それは杞憂という事になりましたが、重い小麦アレルギーのある人は冷静な物の見方をされているのだなと感心しております。

さて今回は、知ってるようで知らない米粉パンの

  • 特徴
  • メリットデメリット
  • 見分け方
  • アレルギー対応

について、製パン技術者だから分かる真実の解説をしてみたいと思います。

【米粉パン】特徴、メリットは何?

米粉パンの特徴とは、小麦粉を使ってない事ですが、小麦粉や小麦グルテンを使っている物も多くの存在します。

ここではまず、小麦粉や小麦由来のたんぱく質(グルテン)を全く使用していない物を米粉100%パンといい、パンの一部に小麦粉、グルテンを使用している物を米粉入りパンと呼ぶ事にします。

米粉100%パンの特徴

米粉のみので作った米粉パン、トースト専用です

米粉100%パンは小麦粉を使わないので、小麦由来のたんぱく質(グルテン)を含まない食品としてグルテンフリーを重要視している人や、小麦アレルギーのある人にとって、食べる楽しみを拡げる食品として重宝されていると思います。

しかし、小麦が食べられない人にフワフワで柔らかいパンを食べて貰いたいという想いは素晴らしいですが、現状でもそのような商品は存在しません。

米粉100%パンは色々なメーカーから発売されていますが、普通のフワフワで弾力のあるパンとは別物です。

しかも、酵母による熟成作用を必要としない為、パンの旨味が感じられません。

水で溶いた米粉を酵母(イースト)やベーキングパウダーなどで発泡させ、なるべく気泡を壊さないようにそっと焼き上げた物です。

それはパンというより空気を含んだ硬い餅みたいな感じで焼き立ては美味しいですが、冷めるとかなりボソボソしてしまいます。

イーストの臭いが残っている所がパンのような感じがします

米粉という特性上、生地がだれて形を保持することが出来ない為、必ず型に入れて焼き上げてありますが、煎餅状のものならつくれます。

食パンのフワフワ感が好きな方には絶対におすすめしません!!!!!!!

アレルギーなどで普通の食パン食べれない方には良いかもしれません><

味もあまり美味しいと思えませんでした。

やはり現在でもフワフワで弾力のあるパンを作るには小麦由来のグルテンが必要であり、

米粉100%パンは普通のフワフワした弾力あるパンにすることは出来ないのです。

トーストして頂きました、焼き立てなら美味しいですが、やっぱり普通の食パンのほうが、、

しかし、家庭で手作りして焼き立てを頂くのは良さそうです。

【米粉100%パン】メリット、注意点は?

小麦アレルギーのある人やグルテンフリーでもパンのような物を楽しんで頂ける事です。

米粉パンが好きな人によると米は小麦よりヘルシーで栄養が有り、

小麦粉に比べて米粉は栄養素も豊富。炭水化物のほかにもたんぱく質、脂肪、ビタミンなどを含んでいます。また、タンパク質の栄養価の指標となるアミノ酸スコアの数値も小麦粉より上

引用:okayamacobo.com

と、いう事ですが、米粉パンには塩、砂糖、油も入りますね、わざわざパンにする必要があるのでしょうか?

私はちょっと微妙だなと考えてしまいます。

注意点として、米粉100%の表示があってもほんの僅かな小麦粉の混入(コンタミネーション)の恐れがあるので製造元の情報をしっかり確認する必要があります。

【米粉入りパン】の特徴

米粉パンが流行り始めた頃、既存のパン屋さんや専門店で小麦粉で作ったパンとあまり差がないフワフワした米粉パンが沢山売られていました。

グルテンフリーでは無いことを公言されています:Kome-copan

米粉入りパンの特徴はお米の味がするがパンとして食べやすく普通に美味しいですが、グルテンフリーではないので注意が必要です。

米粉は膨らみを抑えるのでもっちりした食感になります。

https://twitter.com/cha1181cha/status/1440228921656578049?s=19
しっかり小麦粉が入っています

私が危惧したのは、表示はされていますが米粉パンと言いながら小麦グルテンを含んでいるのでアレルギーのある方に被害が出るのでは?という事でした。

最近はこのような意味の無いフワフワ米粉入りパンはほとんど見かけなくなりましたが、紛らわしく、当然の流れで米粉入りパンのブームが終わったのだと思います。

米の消費を促す為、製粉会社が製菓用の米粉を開発した事がこのブームの発端で、クッキーやマフィン、パン等、様々な商品が開発されましたが、低糖質でもなく味の面でも小麦で作った方が美味しく安価である為、普通のスーパーやコンビニ等で、このような商品はあまり見かけなくなりました

もちろん、普通の小麦パンより米粉入りパンの方が好きという方には残念な事だと思います。

まとめ

米粉パンの特徴、メリット、注意点を解説しました。

  • 米粉のみで作られた米粉100%パンはアレルギーの恐れは無いが個人的にはボソボソして普通のパンのような美味しさは無い
  • 米粉に小麦粉やグルテンを加えて作った米粉入りパンはお米の風味を感じて美味しいがアレルギーの恐れはある
  • 米粉でパンを作るメリットは重度の小麦アレルギーがある人やグルテン抜きをしたい人にもパンのような物が食べられる事
  • 家庭で作る場合、小麦粉より捏ねる作業や発酵させる手間が少なく簡単、焼き立ては美味しい

否定的な意見ばかりになりましたが、SNSを見る限り家庭での米粉パン作りは人気があるようですね。

https://twitter.com/cocoa25775921/status/1441263840163864582?s=19

パンのバリエーションの1つとして楽しめばよいですね、美味しければそれでいいのです。

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藤原 敏夫

1974年生まれ。ポール・ボキューズ、ノブTOKYOで製菓製パン、ペストリーを学び、日本人唯一MOF取得者の美ノ谷靖夫氏に師事。独立してベッカーフジワラを15年経営して廃業。現在はブーランジェリー職人として勤務しながら、経験を活かした記事を執筆中。

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