皆さんは、全粒粉パスタを食べたことはありますか？
全粒粉パスタというとなんだか健康に良さそうなイメージを持つ人も多くいるのではないでしょうか？
全粒粉パスタは、ダイエットしている人にもおすすめのパスタなんですよ。
でも「本当に全粒粉パスタは痩せるの？」と疑問に思いますよね。
そこで、この記事では全粒粉パスタはどのようなダイエット効果があるのかについて通常のパスタと比較をして詳しくご紹介していきます。
全粒粉パスタがダイエットに良い理由について徹底的に解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
全粒粉パスタとは
全粒粉パスタとは、全粒粉を原料に使用して作られたパスタのことです。
一般的なパスタの原料は小麦粉ですが、全粒粉は製粉の際に麦芽や表皮、胚乳を丸ごと製粉したもので、一般的な小麦粉に対して色がうっすらと茶色くなっているのが特徴です。
全粒粉とは？
全粒粉は、小麦を丸ごと粉状にしたもののことを指します。
小麦粉との違いは、お米でいうところの精米と玄米の違いと同じようなものです。
胚乳だけを使用している通常の小麦粉と比べて栄養価が高く、薄力粉と比較して3倍程度の食物繊維や鉄分を含んでおり、またビタミンB１の含有量も高くなっております。
通常の小麦粉は白色をしていますが、全粒粉は殻まで粉砕しているので茶褐色をしています。
全粒粉パスタは痩せるのか？
では、さっそく全粒粉パスタがダイエットに良いといわれている理由は何でしょうか？
全粒粉パスタがダイエットに良いところは大きく2つあります。
- GI値が低い
- 栄養素が豊富
それぞれを詳しく見ていきましょう。
GI値が低い
全粒粉パスタは一般的なパスタよりもGI値が低い点で注目を浴びています。
GI値とは食後に食べ物が糖に変わる際の血糖値が上昇するスピードを図ったもので、GI値が低いほど血糖値の上昇値が緩やかになるということが分かっています。
全粒粉パスタとその他の炭水化物とのGI値の差は以下のようになっています。
| 炭水化物類 | GI値 |
| 全粒粉パスタ | 50 |
| 食パン | 95 |
| フランスパン | 95 |
| 精白米 | 88 |
| もち | 85 |
| うどん | 85 |
| ロールパン | 83 |
| そうめん | 80 |
| ベーグル | 75 |
| パスタ | 65 |
比べてみると、全粒粉パスタはほかの炭水化物よりもかなりGI値が低いことが分かりますね。
GI値とは
GI値とは食後血糖値の上昇を示す指標グリセミック・インデックスの略称です。
GIは食品に含まれる糖質の吸収度合いを示しており、摂取2時間までの血液中の糖濃度を測ったものです。
オーストラリアのシドニー大学ではグルコースを基準とした場合
- GIが70以上の食品：高GI
- GIが56～69の食品：中GI
- GIが55以下の食品：低GI
と定義しています。
GIは特に1990年代に脚光を浴び始め、1998年にFAO/WHOレポートが発表されました。
さらに2003年にWHOから「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを低GI食品が低減させる可能性がある」というレポートが出されるなどの背景から、その後もさまざまな研究が行われています。
その影響から、食品メーカーは食物繊維が多く、エネルギー密度の少ない、GIの低い食品を供給するために食品開発を行いました。
低GI食品は、現代人に急増しつつある肥満や、メタボリックシンドロームの予防・改善の観点から、注目されているのです。
参考：大塚製薬https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/
なぜGI値が低いとダイエットに良いのか？
GI値が低いとダイエットに良いという話はよく聞いたことがあるかもしれませんが、なぜダイエットに良いのか詳しく知っている人はあまり多くいないのではないでしょうか？
ここでは、血糖値上昇のメカニズムを説明しながら、なぜ低GI食品はダイエットに良いのか徹底的に解説していきます。
体内での血糖値上昇のメカニズム
ごはんやパンに代表される、炭水化物が多い食べ物が口から入ると、食道を通り胃や十二指腸で消化され小腸から吸収されます。
吸収された糖分はブドウ糖などとして血管内に取り込まれます。
その後の流れとしては、
- 食べ物の中の糖分がブドウ糖として血液中に取り込まれる
- ブドウ糖が増えることで膵臓からインスリンが分泌される
- ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に取り込まれるため、食事の前の値まで、血糖値が下がる
上記の流れが健康な人の血糖に関するメカニズムなのです。
血液中に糖が入ると、インスリンによって、血糖は多くの組織に取り込まれますが、多くの糖を摂取した場合、インスリンが通常よりも多く分泌されてしまいます。
インスリンは脂肪合成を高め、脂肪分解を抑制する作用を持っています。
したがって脂肪が蓄積されやすくなってしまうのです。
インスリンの分泌が少ない、分泌のタイミングが遅い、インスリンの作用が低下するなどの理由から、うまく血糖値の処理ができなくなると、血糖値が下がらなくなってしまいます。
食後数時間たっても、血糖値が下がらない状態が慢性的に続いてしまうのが「糖尿病」ということなのです。
血糖値が食後急激に上がらないような食事や内容が糖尿病を防ぐためにはとっても重要なことです。
血糖値が上がりにくい食べ物は？
カロリーが高いと、血糖値が上がりやすいと思いがちですが、実は必ずしも正しいとは限りません。
一般的に血糖値が上がりやすい食べ物は、すぐにエネルギーになりやすいごはんやパン、果物、砂糖などの炭水化物の多いものだといわれています。
次に血糖値が上がりやすい食べ物は、たんぱく質の多い、肉類や魚介類、卵、乳製品や、油の多い食品です。
しかし、血糖に影響するからと言って、炭水化物を食べないと、栄養バランスが悪くなるうえに、食事の満足感が得られないため、かえってたんぱく質や脂肪などを過剰に摂取してしまいますよ。
血糖値が上がりやすい炭水化物ですが、昨今の研究から、同じ量を含む食品でも、食物繊維の量によって血糖値が急激に上昇するものと穏やかに上昇するものがあるということが分かりました。
例えば、同じパンでも、ライ麦パンなら低GI、白いパンなら高GIにあたるのです。
GI値が高い食品は、一気に血糖値が上昇するため、血液中の糖を処理するためには多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追い付かなくなるという事態が起こってしまいます。
逆に、GI値が低い食品では糖が穏やかに取り込まれるので、血糖値の上昇も緩やかになり、インスリンも分泌しすぎることがなくなります。
穏やかに糖を取り込むことのできる低GIの食品は、ダイエットに良いだけでなく健康にも良いので、ぜひ日々の食生活で取り入れてみましょう。
栄養素が豊富に含まれている
全粒粉パスタは、普通のパスタに比べて食物繊維や鉄分、ビタミンB1が豊富に含まれているんですよ。
これらの栄養素は日常の食生活では不足してしまいがちな栄養素なので、栄養の偏りが気になるという方にはとっても嬉しいですよね。
特に食物繊維が多く含まれており、全粒粉には食物繊維が100ｇ中11.2gと1割以上も含まれています。
食物繊維をとることのメリットは
- 満腹感が得られ、摂取カロリーの抑制につながる
- 整腸作用があり、腸の掃除をしてくれる
の2点があります。
また、ビタミンB1は「自律神経を整えたり、疲労回復に効果があるビタミン」と呼ばれているんですよ。
普通のパスタと全粒粉パスタを比較してみよう!
全粒粉パスタは一般的な小麦粉で作られているパスタに比べて、噛み応えがあり、食感がぼそぼそとしているように感じるという方も多くいるかもしれません。
その反面、噛む度に口の中で全粒粉の香ばしさが増し、クセになる味わいでもあります。
また、全粒粉は一般的なパスタに比べて吸水性が高いので、沸騰したたっぷりのお湯でゆでることでぼそぼそとした食感をなくすこともできます。
少し歯ごたえののあるアルデンテよりも、芯までしっかりと火が通るように柔らかめに茹でると良いですよ。
全粒粉パスタと通常のパスタのカロリーの違いは？
ダイエットにおいて、重要とされているカロリーと糖質について、全粒粉パスタと通常のパスタで比較してみましょう。
| カロリー | 糖質 | |
| パスタ | 365kcal | 69ｇ |
| 全粒粉パスタ | 328kcal | 57g |
比較してみると、全粒粉パスタのほうがカロリーも糖質も少ないことが分かりますね。
ただ、大きな差はないので全粒粉パスタはヘルシーだからと食べすぎてしまうのには注意ですよ！
ダイエットに良いパスタの種類は？
せっかくダイエットに良い全粒粉パスタを食べるのであれば、どうせなヘルシーなパスタを選びたいですよね。
そこで、ヘルシーなパスタの種類は何かをランキングでご紹介します。
ぜひ、参考にしてくださいね。
＜パスタの低カロリーランキング＞
第3位：ペペロンチーノ
ペペロンチーノにはオリーブオイルが使用されていますが、他にカロリーの高い食材が入っていないので、低カロリーとなっています。
味付けにはニンニクや塩コショウ、トウガラシが使われているので、食べた時にカロリーの低さを感じさせないパスタです！
第2位：ボンゴレパスタ
ボンゴレとは、アサリを使ったパスタのことを指します。
あさりはとてもカロリーが低く、味付けも白ワインや塩コショウ、ニンニクととてもあっさりとしているのでヘルシーですね。
第1位：和風きのこパスタ
キノコはとてもカロリーが低く、20ｇで4～5kcalしかありません。
そのため、具たくさんでもヘルシーに食べることができますので満足感もあります。
キノコの種類もブナシメジ、エリンギ、シイタケなど豊富にありますので、味わいや食感の変化も楽しめますよね。
ご自分のお好きなパスタを食べるのももちろん良いですが、せっかく全粒粉パスタでヘルシーにしたのでパスタの味付けも工夫できると良いですね。
まとめ
- 全粒粉とは小麦粉を丸ごと粉砕した穀物のことを指し、茶褐色をしている
- 全粒粉パスタのダイエット効果は、GI値が低いことと栄養素が豊富に含まれていること
- 低GI食品は血糖値の上昇を緩やかにしてくれるので、結果的に脂肪をためにくい身体を作れる
- 全粒粉パスタには食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維は整腸作用があるので調の掃除をしてくれる役割を果たしている
- 他にも、ビタミンB1や鉄分も多く含まれている。ビタミンB1は自律神経を整えてくれるといわれている
全粒粉パスタは、ダイエットのみならず健康にも良いということが分かりましたね。
血糖値上昇のメカニズムを学んだので、炭水化物のとり方も意識して改善していけると良いですね。
ぜひ、ヘルシーにお食事を楽しみ、健康的な食生活を送ってください。
