ケーキ作りなどで、生クリームが泡立たないで時間がかかりすぎたり、上手く泡立たず失敗したりしたことありませんか?
急に生クリームを泡立てないといけない時、ハンドミキサーを持っていない人は難しいのでは?
と、考えた人も多いと思います。
実際に、私もハンドミキサーを持っていない時に、ケーキ作りのため、生クリームを泡立たせようとしましたが、失敗に終わりました。
しかし、ハンドミキサーを使わなくとも、生クリームを泡立たせることができます。
そもそも、生クリームが泡立たない理由があるため、上手くいかなかった可能性が高いです。
今回は、生クリームが泡立たない理由について紹介いたします。
生クリームが泡立たない理由とは
生クリームが泡立たない理由は、ハンドミキサーを使用していないこと以外にも、いくつかあります。
大きな理由として、
- 温度が高い
- 容器や生クリームに水が入ってしまう
- 乳脂肪分が低いものを使っている
の、三点になります。
温度が高い場合
「乳脂肪(脂肪球)が均一な状態に、泡立てるという力が加わります。」
「脂肪球と脂肪球がぶつかります。」
「脂肪球の膜が壊れて、その壊れた部分が気泡(空気)の周りに集合していきます」
「更に、脂肪球と脂肪球がぶつかり、次々と繋がっていきます。そして、気泡と気泡の間に網目の構造を作るようになります。」
引用元:パティシエの基本の知識「生クリームはなぜ泡立つの?」 | パティシエ成功への道
「生クリームの温度履歴 は起泡性に大きく関与する。したがって、貯蔵および起泡は低温(10℃以下)で行なわなければならない。」
引用元:生クリームの起泡性について(第1報)
生クリームが泡立たない理由の一つは、温度が高いからです。
生クリームを泡立てるには、生クリーム本体や室内を10℃以下にした状態で行わなければ難しいです。
生クリームは、脂肪球同士がぶつかり繋がっていき、ケーキなどのクリーム状に変化します。
温度の高い(10℃以上)環境で生クリームを泡立てると、通常より早く泡立ち、空気の泡を抱き込めない状態となってしまいます。
温度の高さは、生クリーム本体以外に室内の温度も関係があり、細心の注意が必要です。
そのため、生クリームを混ぜる際には、
- 生クリーム本体が冷えていること
- 泡立てる容器が冷えていること
- 氷水で容器を冷やしながら泡立てること
- 室内の温度を下げていること
上記四点が重視する必要があります。
特に、自宅で行う場合、冬の室内は暖房がかかっていることが多いため、とても暖かく泡立てにくい環境を作ってしまいます。
このことを知り、私は初めてお菓子作りをした際に、一時間以上生クリームを混ぜても混ざらなかった理由がわかり、以降は失敗することが少なくなりました。
容器や生クリームに水が入ってしまう場合
生クリームは、水分が加わると脂肪球同士がぶつかっても繋がらないため、泡立ちません。
上記の「温度が高い場合」でも説明した通り、生クリームは、脂肪球同士がぶつかり繋がっていき、ケーキなどのクリーム状に変化します。
しかし、少しでも水が加わることで、脂肪球同士がぶつかっても繋がらず、脂肪球が分解されるだけで、クリーム状になりません。
生クリーム入れる容器は、水気を必ず取ることが重要です。
また、泡立てる時間がかかりすぎると、結露による水滴を含んでしまう可能性が高いため、手早く行うと良いです。
乳脂肪分が低いものを使っている
「・植物性のクリームを使っていませんか?」
「・乳脂肪分の低いクリーム(35%以下)を使っていませんか?」
「そんなときは「種類別:クリーム」と表示されている動物性の乳脂肪分40%以上程度のものを使いましょう。」
「乳脂肪分の高い生クリームというのは、乳脂肪がたくさん含まれているということなので、泡立てたときに脂肪球同士がぶつかり合う確率も高くなる → 早く網目構造ができあがり、早く泡立つ。という訳です。」
引用元:生クリームが泡立たない | 赤堀製菓専門学校(東京)パティシエ・カフェ専門学校
意外と見ていない泡立たない理由として、乳脂肪分が低いものを使っている可能性があることです。
乳脂肪が低いと、脂肪球があまり含まれていないため、泡立つのが難しいようです。
「植物性のクリームというのは、そもそも牛乳に含まれる乳脂肪ではなく、植物性油脂から作られた代替品です。泡立てやすさという面では、逆に泡立ちにくいです。作業性を良くするために、泡立て過ぎてボサボサになるのを緩和したりするのに向いているからなのです。」
引用元:生クリームが泡立たない | 赤堀製菓専門学校(東京)パティシエ・カフェ専門学校
また、植物由来の植物性のクリームでは、植物性油脂から作られている点から、泡立てにくく、早く泡立てたい場合には、不向きとされます。
しかし、体質的に合わない、動物性は油が気になると考える方には、使い分けができとても良いようです。
生クリームが泡立たない時の対処方法
「牛乳に含まれるたんぱく質の約80%を占めるのがカゼインです。」
「カゼインたんぱく質は目には見えませんが、カゼインミセルという粒子の状態で牛乳中にたくさん浮遊しています。ここに酢や果汁など酸性のものが加わると、ミセルの構造が変化しカゼイン同士が凝集するため、牛乳の性状が変わります。」
引用:牛乳に酢や果汁を入れると一部が固まるのはなぜですか? | 乳と乳製品のQ&A | 一般社団法人日本乳業協会
生クリームが泡立たず、それでも泡立てたい場合、生クリームに酸を使うことが良いです。
生クリームの油分に、酸を入れることで分離する現象を利用し、泡立てた時と似たクリーム状の生クリームを作り出します。
実際は泡立ったわけではなく、生クリームを固めるだけなので、普段利用してお菓子を作っている人からすると違和感を覚えるかもしれません。
また、味を変えたいと思う方には、酸のある柑橘類の汁やジャムなどを少量加えることで、普段作らない生クリームの味を楽しめます。
まとめ
意外と見えていない部分が、生クリームが泡立たない理由だったのではないでしょうか?
ハンドミキサーが無くても、温度を意識することや、水分が入らないようにすること、生クリームの乳脂肪分を考えながら行うことで、生クリーム泡立てることができます。
ちょっとしたお菓子作りをしてみてはいかがでしょうか?