- チキンラーメンの歴史を知りたい!
- インスタントラーメンの始まりってどんな感じ?
インスタントラーメンの代表といえば、チキンラーメン。
香ばしくてチキンの旨味がつまったあの味、つい食べたくなる味ですよね。
実はチキンラーメンって、60年以上の歴史を持つ食べ物だって知ってましたか?
この記事では、戦後から今に至るまで世代を超えて愛されてきたチキンラーメンの歴史を紹介します。
この記事を読むと、チキンラーメンがもっと味わい深くなるかも?
チキンラーメンの歴史
いつから販売しているの?
チキンラーメンの販売を開始したのは1958年8月25日。
せっかくなのでチキンラーメンの歴史をざっくり年表で見てみましょう。
年代 | できごと |
1957年 | 安藤百福さん、インスタントラーメンの開発を開始 |
1958年 | チキンラーメンの販売開始 |
1965年 | 初代キャラクター「ちびっこ」登場 |
1991年 | 2代目キャラクター「ひよこちゃん」登場 |
2003年 | たまごポケット採用 |
2010年 | 「ひよこちゃん」新デザインに |
2020年 | チキンラーメンが宇宙食として宇宙へ |
興味深いのは歴史の長さだけでなく、宇宙デビューもしていること!
宇宙飛行士の野口さんが宇宙でチキンラーメンを食べて、味の再現率の高さにびっくりしたそうです。
誰が作ったの?
チキンラーメンの開発者は安藤百福(あんどうももふく)さん。
数年前にNHKの朝ドラ「まんぷく」で彼ら夫婦のストーリーが取り上げられたこともあり、名前に聞き覚えのある人もいるかもしれないですね。
戦後の食糧不足の時代に、ラーメンの屋台に行列ができている様子を見たことと、麺類についての政府とのやりとりをきっかけに、すぐに食べられるラーメンの開発をスタートしました。
当時政府はアメリカから来る小麦を使ったパン食を奨励していたとか。
そんな中、日本人は麺類が好きなのだからとラーメンに目をつけた安藤さん、なかなかやり手のビジネスマンですよ。
どんな風に開発したの?
開発者の安藤さんが自宅の庭に作った小屋で毎日研究に没頭して開発。
安藤さんは成功した実業家でしたが、信用組合の倒産で無一文になったため、スタッフや工場を使うことなく、たった一人で開発を始めたのです。
睡眠時間は毎日4時間ほど、休むことなく丸1年かけてチキンラーメンの開発に取り組みました。
絶対寝不足でしたよね、昔の人は強いなあ〜
おいしくて、簡単に調理できて長期保存できる、そんな夢のようなラーメンを目指していた安藤さん。
ついに、台所で天ぷらを揚げる奥さんの姿にヒントを得て、麺を油で揚げる製法にたどり着きます。
意外なところに発見があるものですね〜
なぜチキン味なの?
安藤さんの息子が鶏肉を食べなくなったから。
自宅で飼っていたニワトリの調理現場を目撃した百福さんの息子は鶏肉を食べなくなってしまいました。
確かに、慣れていない子供からしたらニワトリが肉になる姿は衝撃的ですよね...
ところが、奥さんの作る鶏ガラスープなら喜んで食べる息子を見た百福さんは、ラーメンの味をチキンに決めます。
この時百福さんが意識していたかはわかりませんが、世界では豚や牛を食べないものの、鶏肉なら食べるという国もあるんですよね。
図らずもこの頃からチキンラーメンのグローバル化が決まっていたような感じです。
どうしてこんなに有名になったの?
流通・経済成長・宣伝という成功の要素がそろっていたから。
チキンラーメンの販売を開始したのは、1958年でした。
時はちょうど、ダイエーがチェーン展開のスーパーとして営業を始めた頃。
主婦も外で働くようになったため、簡単に調理できるものの需要が高まっていました。
そして、新聞に代わってテレビというメディアが登場したのもこの時代なんですよね。
流通ルートの確立、簡単調理の需要、テレビの宣伝、この3つの要素が重なって、見事にチキンラーメンを有名なラーメンに押し上げたようです。
うどん1玉が6円の時代にチキンラーメンは1袋36円と若干高級な食べ物でしたが、飛ぶように売れていきました。
販売量に生産が追いつかなくて、一時は工場の前に出荷用トラックが待っていることもあったそうですよ。
今でいうところのバズった、ということですね(笑)
チキンラーメン以外にも即席麺はたくさんあった
インスタントラーメンの元祖はチキンラーメンというイメージですが、チキンラーメンが販売され始めた時代、安藤さんの開発したチキンラーメン以外にも即席麺は結構登場していたようです。
そもそもラーメンは中国からやってきた食べ物。
台湾から日本にやってきた人の中には、油で揚げた麺を商品化して販売していた人も多数いたとか。
とはいえ、製法と商品名を特許登録し、「チキンラーメン」という商品として成功させたのが安藤百福さんだった、というわけですね。
やはり安藤さんのビジネスマンとしてのスキルが見事としか言いようがありません。
カップヌードルとの関係は?
チキンラーメンの会社・日清食品が世界で通用するインスタントラーメンとして生み出したのがカップヌードル。
安藤百福さんが立ち上げたのが今やカップヌードルで有名な日清食品です。
このカップヌードルの開発のきっかけはチキンラーメンにあります。
チキンラーメンが成功し、海外でもチキンラーメンを食べてほしいと考えた安藤さん、アメリカで日本との食習慣の違いにぶち当たりました。
アメリカには箸もどんぶりもないですよね!
そこでラーメンをカップに入れ、フォークで食べる商品を開発したというわけです。
今でも人気の理由は?
変わらない部分と変わった部分の絶妙なバランス感。
戦後すぐに開発されてから、今でもずっと愛され続けているチキンラーメンですが、そのパッケージや味はずっと変わっていません。
チキンベースのこんがりしょうゆ味で、茶色と黄色のストライプの袋といえばチキンラーメンですよね。
一方2003年に変わったのが、ラーメンの上部についた「たまごポケット」。
このポケットのおかげで、卵入りラーメンを見た目も美しくおいしく食べられるようになったわけです。
さすがは見た目の美しさもこだわる日本人の発想、こういう小さな配慮がヒットを生み出し続けるのでしょうね。
今日もおいしくチキンラーメン!
チキンラーメンが開発されたおかげで、戦後から今までインスタント食品は日本人の生活になくてはならない存在になりました。
それを考えると、チキンラーメンってある程度日本の食文化を変えた食品かもしれないですよね。
お湯を注げばすぐに食べられるチキンラーメン。
たまごを乗せて、またはお湯を使わずそのままボリボリと。
サラダやスープに入れるなど、チキンラーメンの楽しみ方は無限大かもしれません。
今日もおいしくチキンラーメンを食べてくださいね!