- 味の素はアメリカでは禁止?
- 味の素ってなんなの?安全なの?
料理に「うまみ」を加える調味料として日本では昔から親しまれている、味の素。
でも親しまれている一方でなぜか、体に悪いとかアメリカでは禁止とかいうウワサもよく耳にしますよね。
この記事では、味の素がずっと戦ってきた味の素の世界のネガティブイメージと、企業としての努力について紹介します。
この記事を読めば、あなたの食品の選び方が変わるかも?
味の素はアメリカでは禁止?
味の素はアメリカで違法薬物のように禁止されているわけではありません。
でも味の素へのネガティブなイメージが長い間定着しているのは事実。
というのも、ある事件によるイメージがいまだに拭えないのです。
味の素さんもそんな事実を隠さず、公式サイトにこんな一文を載せていますよ。
1969年、アメリカでグルタミン酸ナトリウムの安全性につき問題提起がされ、世界へその波紋が広がる。味の素社は、科学的立証に向け自社や外部研究機関での実験を重ね、世界中へ安全性を説いてまわる。
味の素公式サイト
1969年に起こったこの事件は中華料理症候群事件とも言われています。
ざっくり説明すると、アメリカの中華料理屋さんでご飯を食べた人が、直後に体の不調を訴えることが相次ぎ、原因は料理に含まれているグルタミン酸ナトリウム(MSG)、つまり味の素の主要成分ではないかと疑われたという事件です。
その後この出来事を研究して論文にまとめちゃった人がいたため、さあ大変。
一気にアメリカではMSGは健康に害がある!というイメージが浸透、それが世界にまで広がってしまいいました。
アメリカでは商品のパッケージにも「NO MSG」など、MSGが入っていないメッセージを含めるほどで、他の国でもそれに倣う傾向があったようですね。
味の素って結局なんなの?安全なの?
「味の素が入ってる料理を食べたら体調悪くなるんだって...味覚障害が出るらしいよ...」
そんな風のウワサを聞くと、誰でも「あれ、味の素って食べても大丈夫なのかな?」と心配になりますよね。
そもそもそのウワサ、50年以上前から語り継がれているのですが(苦笑)
ウワサに翻弄される前に、味の素について調べてみましょう。
「味の素®」は、人体を構成するアミノ酸のひとつであるグルタミン酸から生まれたうま味調味料です。グルタミン酸は、昆布や野菜のうま味成分であり、うま味調味料としてのグルタミン酸ナトリウムは、食品衛生法上の規定で食品添加物の調味料に分類され、同法に定められた膨大な安全性試験をすべてクリアしています。
味の素公式サイト
味の素はうまみ成分であるグルタミン酸ナトリウム(MSG)が主な成分です。
この「うまみ」が存在することを発見したのが、味の素を最初に作り出した池田菊苗博士。
販売当初の味の素には、昆布から採られたグルタミン酸が使われていました。
現在の味の素の主な成分は、さとうきびからとられています。
つまり、味の素は料理を美味しくするための調味料で、過剰摂取をするのでない限り、安全が証明された食品なんですよ。
味の素が化学調味料と呼ばれていた過去
その昔、NHKのテレビ番組で特定のメーカーの名前を使えないため、味の素を「化学調味料」と呼んだことが定着して以来、味の素はたびたび化学調味料と呼ばれてきました。
「うまみ」という味があることが証明されて以降は「うまみ調味料」という言葉に変えられたようです。
実は「うまみ」が「UMAMI」という一つの味覚として世界で認められるようになったのは2000年以降!
それでもいまだに味の素が化学調味料と言われているのを聞きますよね。
化学調味料という言葉にも、ネガティブなイメージが結びついているのかもしれません...
「うまみ」が世界に認められるのに時間がかかったように、味の素の安全性が世界に認められるにも時間がかかってしまっているようです。
アメリカで受け入れてもらうために味の素がしていること
中華料理症候群事件をきっかけに、アメリカで受け入れにくくなった味の素。
いまだにアメリカでは、MSGを意識的に避ける人が10人に4人はいるとの報告もあるそうです。
そのためか、味の素の会社としては積極的にこの歴史に触れてはこなかったよう。
でも最近になって「UMAMI」が海外で認知されるようになったこともあり、積極的にMSGが体に害がないことをアピールするようになっています。
2018年にはアメリカで世界うまみフォーラム(World Umami Forum)を開き、うまみであるグルタミン酸ナトリウム(MSG)についてもっと正しく知ってもらおうという取り組みが行われました。
アメリカの有名シェフや著名人を複数招いて、アメリカ人がMSGをどう思うか、ということを含めたディスカッションはいい反響があったようですよ。
MSGを上手に使えば塩分を控えた食事も可能で、むしろ健康にいいこともあるということも話されました。
この努力が報われて、味の素の名誉がアメリカでも復活するといいですね〜
安全で美味しい食品は自分で見極めよう!
そもそも日本人が発見した「うまみ」は、その昔のアメリカでは認識されていませんでした。
そんなよくわからない成分の調味料が外国から運ばれてきたら、なんとなく信用できないという気持ちになってしまうのも無理はないのかもしれません。
でも、聞いたことや自分の感覚だけで事実を判断するのはちょっと危険ですよね。
ちゃんと自分で信頼できる情報を確かめるのって大切だな、と思います。
味の素を使うかどうかを含めて、安全で美味しい食品は自分でしっかり見極めたいものですね。