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【パイの実64層】小麦粉からガチで手作りするとどうなるのか?パイ生地の種類、折り方、成型

千葉ロッテの澤村拓一投手が、パイの実が64層で出来ていることに関心していますね。

新入団選手はロッテの工場見学した後、パイの実についてコメントすることが多いんです。


そんな野球選手も驚くようなパイの実を小麦粉からガチで手作りするとどうなるか?

パティシエ経験20年の筆者が64層にこだわって作ってみました。

パイの実64層を自作!パイ生地を64層に折るには? 

パイ生地の折り方は基本3種類。

  • 2つ折り。文字通りパイ生地を2つに折り畳みみます。折り畳むごとに層が2倍に増えていきます。
  • 3つ折り。長方形に伸ばしたパイ生地を3等分に折り合わせます。折り畳むごとに層が3倍に増えていきます。
  • 4つ折り。長方形に伸ばしたパイ生地を4等分に折り合わせます。中央から2つ折りにして折り数が4回になりますね。折り畳むごとに層が4倍に増えていきます。
詳しいパイ生地の作り方です。丁寧な解説が知りたいかたはこちらを参考にして下さい。

ちょっと分かりづらい?パイ生地の層の数え方。

さて肝心のパイの層ですがあくまで理論上64層ということにします。

パイが焼き上がった時、カットして断面を数えてみても層が確認できるのはせいぜい30層位までです。

パイの実の断面も64層を確認するのは難しいと思います。

実際に作った層がパイのお菓子に現れるわけではなく、求める食感(テクスチャー)、ボリュームによって折り込む回数を変えていきます。

人によって層の数え方が違う。

  • 小麦粉の生地(デトランプ)のみを層と数える。
  • バターと小麦粉の生地(デトランプ)両方を層として数える。
  • デトランプとデトランプが重なる部分は1層とみなす。

どの数え方をするかで層の数が変わりますね。

特に規定がある訳ではないのでさまざまな解釈がされるんですね。

そこで今回は64層として、より厳格に、焼くと溶けて無くなるバターは層として数えないようにします。

折り始めの生地(パイ生地の種類)をどうする?

こちらも悩ましいですが、64層にするにはどの選択が考えられるでしょうか?

パイ生地の種類は4種類。

  • バターを生地で包む込むやり方。一番オーソドックスなパイ生地ですね。こちらは2層からスタートになります。
  • 生地をバターで包み込むやり方。バターと生地が逆さになっていて、逆さパイ生地と呼ばれていますね。こちらは1層からスタートになります。
  • 長方形に延ばした生地の2/3にバターを塗り込み3つ折りにします。最も少ない工程でパイ生地を作ることができます。クロワッサンなどの発酵生地に使用されることが多いですね。こちらは3層からスタートになります。
  • 練りパイ生地。こちらはタルトの土台やクラッカーに使用されます。層を作るという面では適さないので今回はゴメンなさい

さて、64層にするにはどの選択をすればよいのか?

64から逆算すると、、

私の解釈では

逆さパイ生地で4つ折り×3回となりました。

デトランプ1層からスタートして

1×4×4×4=64 です。

バターを層として数えないでデトランプのみで64層になりますね。

決まった所で作っていきましょう。

逆さまパイ生地をつくろう!

まずは生地づくり!
包み込む用のバターの生地をつくります。混ぜるだけです。
1cm 位に伸ばしてラップに包み丸くして冷蔵庫で休ませます。
小麦粉の生地(デトランプ)を作ります。これも混ぜるだけです。
こちらは中に入れる生地なので四角にしますね。ラップに包み冷蔵庫で休ませます。
折り込みをしていきます。
生地を休ませたらバターで生地を包んで4つ折りにしていきます。これを3回繰り返します。
生地が出来ました。層ができているのがわかりますね!

パイの実の成型の仕方。

パイの実といえば中にチョコレートが定番ですね。生地が出来てしまえばあとは簡単です。

生地を延ばしてチョコレートを置きます。

等間隔にチョコを置きます。

生地を重ねて型で抜きます。

パイの実といえば六角形なんですが丸型しか無かったのでやってしまいました。

ついに完成!?パイの実64層。

ちょっと寂しいので模様をいれてみました。
パイの実!?ガレットデロア風のミニパイの実ですね。
断面はこんな感じになりました。64層を確認することは出来ませんが本家と変わらないサクサクの生地になりました。とても良く出来たと思います。もちろん、美味でした。

まとめ。パイの実を作って分かったこと。

層を64に設定してパイ生地を作ったのは私の長い職人歴でも初めての試みでした。とても新鮮で有意義だったと思います。

上記で書いたように層の数え方の解釈はそれぞれなのでロッテのパイの実が私の作り方と一緒かどうかは分かりません。

しかし64層くらいになるパイ生地を使用することで一口サイズでも軽すぎず、しっかりとした味わいになることが判明しました。

これはメーカーの努力の賜物ですね。新しい発見です。

ありがとうございました。

澤村投手にも届けたいくらい良い出来でした。

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藤原 敏夫

1974年生まれ。ポール・ボキューズ、ノブTOKYOで製菓製パン、ペストリーを学び、日本人唯一MOF取得者の美ノ谷靖夫氏に師事。独立してベッカーフジワラを15年経営して廃業。現在はブーランジェリー職人として勤務しながら、経験を活かした記事を執筆中。

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